自動マスキングプラグイン「ClearMixer」のレビュー
「音圧爆上げくん」という一風変わった社名の会社から出てるプラグイン、「ClearMixer」についてつらつら書いていきます。
このプラグイン何をしてくれるかというとトラック同士の帯域のかぶりを自動で検知し棲み分けてくれるとても便利なプラグインです。(自動マスキング)
自動というと、izotopeが自動ミックス&マスタリングしてくれるプラグインを出していますが、izotopeには自動マスキングの機能はなく今のところ唯一のプラグインだと思います。
大変丁寧なマニュアル(しかも日本語ネイティブ)が付いておりある程度DAWを触れている方ならば即使える代物ではないでしょうか。
メリット
- 自動でマスキングをしてくれる
- 時間短縮
- 32トラックまで可能(去年の冬から倍のトラック数になった模様)
特に上二つは大きいですね、izotopeのneutron2でもマスキングのアシスタント機能があるにはあるのですが自動ではしてくれません。
デメリット
- PCへの負荷が高い
たった一つのデメリットではあるのですが、これが中々の高負荷プラグインで結構困ります。
詳しく見てみるとシングルスレッドに依存しているプラグインらしく簡単に頭を打ちやすいようです。
使ってみたい方はデモがありますので一度試してから買うことをお勧めします。
プラグインの気になる点
自動でマスキングしてくれる優秀なプラグインですがいくつか使いにくい点もあります
・アサイン済みのトラックが判らない
・任意トラックへのアサインやりにくい
・確認しやすいとは言えないスペクトルアナライザ
私のDAWはCubaseですので本プラグインを使う際はトラックにClearMixerSenderというプラグインに渡してからClearMixerに統合されますが、このClearMixerSenderが使いやすいとは言えません。
プラグインの性質上ClearMixerSenderを挿した際にどのトラックを使用しているか把握する必要があるにも関わらずそれらを示すUIは無いので実際に再生しClearMixer側で確認するもしくはすべてのClearMixerSenderを確認する手間が発生してしまい、トラック数が増えてくるとメモに書く等して把握する必要があります。すでにアサインされてるトラックはトラックの数字横に何かマークがあると解りやすくなる気がします。
またClearMixerSenderで任意のトラックへアサインする際もこの細かい線に合わせる必要があるので面倒です。つまみダブルクリックして任意の数字を打ち込むとかできれば良いのですが…
ClearMixerのスペクトルアナライザは奇麗ですが、どのトラックがどの帯域を占めているか確認する意図をモーションブラーが破壊していて残念です。
対策としてSpeedの値をSlow側に振り切ると各トラックのピークが薄っすら見えつつ現在の状況が見えるのでお勧めです。
幾つか不満のあるプラグインではありますが、機能としては大変優秀なのでマスキングに困ったときには活躍してくれます。
ただし前述したように高負荷なのでいざって時に活躍する闇のプラグインですね
デモ版及び購入はこちらから出来ます。